青崎有吾『地雷グリコ』の微ネタバレ含んだ感想です。
本作では、誰もが知っているゲームが多数登場し、それらを用いた勝負が行われます。
ただし、それらゲームには少し手が加えられており、僕たちが知っているものよりもずっと頭を使うものになっています。
最高の緊張感と究極の頭脳戦が繰り広げられる本作について感想をまとめていますので、ぜひ購入前の参考にしてみてください。
『地雷グリコ』の特徴
- 少年漫画のようなテンション
- 誰もが知っている遊びをアレンジした頭脳戦
- 誰も結果を予測できないような鳥肌級の結末
『地雷グリコ』の要約
都立頬白高校では、頬白祭という文化祭が近づくと、とあるイベントで校内が盛り上がる。
そのイベントとは、「愚煙試合」と呼ばれるもので、各クラス・部活など10を超える団体が当日使用する場所を賭けた勝負を行う。
そのスペースとは、頬白高校の中で最も高い場所である屋上。
射守矢真兎は、その使用権を賭け、クラス代表として生徒会メンバーと戦う。
その勝敗の行方は・・・?
『地雷グリコ』の感想
めちゃくちゃ面白い。
この一言に尽きる。
本のタイトルからは、どのような内容かまったく想像できなかったが、そういうことかと。
『地雷グリコ』とは、本作の中に登場するゲームの名前の一つだ。
各章にて様々なゲームが繰り広げられるが、いずれも僕らが知っているものと少し異なっている。
例えば「グリコ」はじゃんけんをしてその勝敗と出した手によって歩を進めていくゲームだ。
しかし「地雷グリコ」は、各プレイヤーが階段に「地雷」を仕掛けることができる。
地雷を踏むと一定数戻されてしまうため、いかに相手にうまく地雷を踏ませるかがポイントとなる。
他にも様々なゲームが登場し、それら一つ一つのゲームのルールがしっかりと定められており、高度な心理戦と頭脳戦が繰り広げられていくのが本作の特徴だ。
2章までは物語の導入といった形でストーリーが進んでいき、第3章からようやくメインストーリーが始まるといった感じ。
それは、主人公の真兎の過去に関わる話でもあり、他校の生徒会とのゲームの幕開けでもあったからです。
第3章にて繰り広げられたゲームの決着から、突然に始まるこのドキドキ・ワクワク感がたまらない。
ゲームの心理描写にワクワクしていたはずが、気づいたらストーリーにのめり込んでしまった。
青崎有吾さんといえば、『体育館の殺人』や『早朝始発の殺風景』などが有名ですが、雰囲気で言えば『体育館の殺人』に近いものを感じる。
登場人物や舞台が高校という共通点があり、キャラのテンションもどこか似たものがある。
ぜひ続編が出てくれたら嬉しいなあという作品です。
僕は電子書籍で購入しましたが、面白すぎて紙書籍で買い直すつもりです。
この本は本棚に絶対置いておきたい!
『地雷グリコ』を読んだ人のレビュー
『地雷グリコ』はどんな人におすすめ?
- 頭脳系・心理戦系ゲームが好きな人
- 先の読めない展開に熱くなる人
- カイジや賭ケグルイが好きな人
『地雷グリコ』:まとめ
『地雷グリコ』は、射守矢真兎が誰もが知っているゲームに少し手を加えたものに挑んでいく作品です。
真兎がどうやってピンチを切り抜けるのか、緊迫した心理戦と高度な頭脳戦がアツイ1冊となっています。
究極の頭脳戦を体験してみたい方はぜひお手にとってみてください。