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【感想・ネタバレあり】『人間標本』イヤミス女王渾身の狂気と愛に戦慄…

湊かなえ『人間標本』を読み終えた感想まとめです。

湊かなえさんの作家活動15年を記念して出版された本作は、イヤミス女王としての新たなステージを見せてくださりました。

今回はネタバレ無しには語れない内容でしたので、ネタバレを含んだ感想となっています。

ネタバレされたくない!という方はこのままページを閉じていただければと思います。

目次

あらすじ

人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。

amazon.co.jpより引用

ネタバレなし感想

なかなか狂気的な殺害方法をとった作品でした。

湊かなえさんの作品にしては少し珍しい毛色の殺人かと思います。

湊かなえさんの作品では、どちらかといえば登場人物の心理描写の細かさなどに定評があるかと思います。

そして、その心理の狂気に震え上がるようなこともしばしば…

本作『人間標』では、当然登場人物の心理描写も描かれていましたが、今までの作品よりは深掘りされていない印象を受けました。

今回は殺害方法やトリックなどに重きをおいていたのでしょうか。

今回は心理描写が抑えめでちょうどよかったのかもしれません。

おそらく、人によっては読むと気分が悪くなる方も多いと思います。

綾辻行人『殺人鬼』や我孫子武丸『殺戮に至る病』で鍛え上げられた読者ならまた別だと思いますが…

殺害方法が狂気すぎて、ここに犯人の心理描写まで緻密に描かれてしまうと、夜も眠れないほどに恐ろしい作品になってしまう気がします。

イヤミス女王が送る新たな境地を体験してみたい方は一読の価値ありです。

ガチ感想(ネタバレ含む)

※ここからの内容はネタバレを含みます。

今回の作品では、前半は犯人の犯行手記を読む形となっています。

その内容とは、芸術家の父を持つ、ある男の狂気に満ちた犯行を詳細に記したものでした。

手記の内容を簡単にまとめると以下のようになる。

  • 男は芸術家にはなれなかったが、蝶の分野で教授となっている
  • ある夏休みに、古くからの知人の勧めで、息子を世界的アーティストの夏合宿へ参加させる
  • 合宿に参加しているのはいずれも男子学生ばかりで、皆美しい見た目をしていた
  • 昔から標本作りが趣味であった男は、とうとう人間までも標本にしてしまう
  • 男は夏合宿に参加した男の子たちを標本にし、標本の説明書きを記載し手記とした

簡単にまとめてみましたが、これだけでも狂気の内容が伝わってくるのではないでしょうか。

僕はこの本を読む前、これで終わりだと思っていました。

あらすじに全部内容が書いてあるじゃん?って。

実はこれで終わりではないんです。

むしろここからが始まりです。

実は、この手記の大部分を書いたのは、男の息子です。

一部を男が修正し、手記としてインターネット上に公開し、自首という形を取ったのです。

つまり、この手記の生原稿によると、真犯人は男の息子なのです。

男は、息子の罪を自らに被せ、自首したのです。

ここまでだとただの美談です。

男の息子は手記の中で標本にされていました。

犯人であるはずの人物がなぜ標本になっていたのでしょう?

それは、男が息子を殺害し標本に仕立て上げたのです。

ここで一気に鳥肌級の狂気を感じたのではないでしょうか。

とんでもない内容の作品見つけちゃったなと思いました。

しかしここで終わらないのが湊かなえ作品です。

男のもとにある人物が会いに来ます。

その人物とは、男の旧知の知り合いであり、世界的アーティストでもある女の娘でした。

女の娘の話を聞いているうちに男は違和感を覚えました。

そしてある1つの事実が浮かび上がってきたのです。

本当の真犯人は女の娘であるという事実に。

自分の息子は女の娘に犯行を手伝わされていただけであり、息子が狂っていたわけではなかったことを知ります。

息子のためを想って自ら手にかけ標本にしたのに、実際は息子は全くの無実であり、苦しみの中もがき苦しんでいただけだったのです。

いかがですか?このあまりにも救いのない話。

後味が悪いのが湊かなえさんの作品の持ち味ですが、さすがの僕も引くぐらいの後味の悪さでした。

気分悪くなる方も多い作品だとは思いますが、個人的にはかなりアリよりのアリな作品ですので、僕の感想を読んで興味が湧いた方はぜひ読んでみてください。

Kindle版は・・・

残念ながら、2024年2月13日時点では『人間標本』のKindle版は発売されていません。

紙の書籍はハードカバーのため少し読みづらいかも・・・

ハードカバーが苦手な人はKindle版の発売を待ちましょう!

表紙は非常に美麗のため、本棚に飾るのもアリです👍

著:湊 かなえ
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この記事を書いた人

大学院にて病院経営を専攻、修士課程修了。
読書と勉強のために時間を欲するサラリーマン。
年間読書量は100冊ほど。読んだ本の中からオススメを紹介しています。
読書に役立つ時短術やサービスなども紹介しています。

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