澤村伊智『ぼぎわんが、来る』の感想です。
ホラー小説読むならまずコレを読めと言われるほどの有名作。実写映画化もされています。
比較的新しい作品ではありますが、『リング』や『黒い家』にも負けず劣らずの怖さがあります。
この作品は、「とりあえずホラー小説読みたい!」「ホラー小説初心者すぎて何を読んだらいいのかわからない…」といった方にオススメです。
本のあらすじや感想については、ぜひ本文をチェックしてみてください。
あらすじ
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだ空前絶後のノンストップ・ホラー!!
最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。
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注目ポイント
ぼぎわん
田原秀樹が祖母から聞いた”ぼぎわん”と呼ばれる怪異。
それは祖父母ともに恐れていた存在で、祖父の故郷に伝わるものだという。
田原は民俗学を専門に研究している友人を頼るが、衝撃的な事件が起こる。
田原家
田原秀樹が幼少の頃に遭遇したであろう”ぼぎわん”と呼ばれる存在。
それ以来その気配を感じることはなかったが、娘が生まれてしばらくした頃にそれはやってきた。
なぜ、田原秀樹のもとにあの化け物はやってくるのか?
祖父母が”ぼぎわん”におびえていた理由とは?
そして、祖母の遺言となった「奥さんに優しくすること」とは…?
田原家を取り巻く真相がヤバすぎる…
比嘉姉妹
怪異の存在に困窮した田原秀樹が紹介されたのは、ピンク髪の少女”比嘉真琴”だった。
ファンキーな見た目からは想像もつかないが、真琴は霊的な存在に応対する力があるという。
真琴から、「家族に優しくすること」と忠告された秀樹だったが、そのアドバイスを聞き入れなかった。
結果として田原家は”ぼぎわん”の侵入を許してしまった。
真琴もやられてしまい、窮地に陥った彼らのもとに現れたのは、真琴の姉”比嘉琴子”だった。
琴子は非常に強力な力を持っており、この界隈では有名らしい。
警察庁長官にも顔が利くという有名人っぷりである。
しかし、彼女はある事情から表舞台に出ることを避けており、そんな中”ぼぎわん”と対峙することになるが…
感想
こんなに鳥肌が立ったホラー作品は久しぶりかもしれない。
序盤は、「よくあるストーリーだな〜」と思いながら読んでいた。
しかし、読み進めていくと、突然ぶわっと全身の毛が逆立っていくのがわかった。
なぜかはわからない。
文章を読み返してみても、ホラー作品にはよくある流れや文体だと思った。
けれど、普段は感じることがないような感覚に陥った。
今思い返しても鳥肌が立つ。
そんなシーンがいくつか登場する。
この作品は何なのだろう。
読了後、無性に感想を書きたくなった。
最近は読書ノートをつけることがめんどくさくなっていたにも関わらず、気づいたら手が動いていた。
この感覚を誰かと共有したい。
そう思いながら今感想を書き連ねている。
書きすぎるとネタバレになってしまうため、あまり多くは書けないが、まずは読んでみてほしい。
ただそれだけである。
この作品を読んだあなたは、きっと私と同じような感想を抱いていると思う。
今作は“比嘉姉妹シリーズ“の第1作目に当たるが、今後これより恐ろしい怪異が登場するのだろうか?と思ってしまうぐらいぼぎわんは恐ろしい。
映画化もされているようなので、そちらもぜひチェックしてみたいと思う。


