高田大介『まほり 下』の感想と紹介です。ネタバレはなし。
上巻からの続きとなり、「まほり」の真実に近づいていく。
引き続き母親の出自について探す裕であったが、辿り着いた先は全く予想もしていない結末か。それとも予想していた酷い真実か…
監禁されている少女の運命と裕の母親の出自、そして裕と香織の関係は…?
伝記ホラー×青春ラブストーリーで送る前代未聞の傑作です。
本編が気になった方は本記事でもう少し詳細を追ってみてください。
『まほり 上』の記事を読んでいない方は下リンクからチェックしてみてください。
あらすじ
まほりとは?蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習が今、明かされる――
主人公裕は、膨大な古文書のデータの中から上州に伝わる子間引きの風習や毛利神社や琴平神社の社名に注目し、資料と格闘する。裕がそこまでするには理由があった。父が決して語らなかった母親の系譜に関する手がかりを見つけるためでもあったのだ。大した成果が得られぬまま、やがて夏も終わりに近づくころ、巣守郷を独自調査していた少年・淳が警察に補導されてしまう。郷に監禁された少女を救おうとする淳と、裕の母親の出自を探す道が交差する時――。宮部みゆき、東雅夫、東えりか、杉江松絶賛の、前代未聞の伝奇ホラーミステリーにして青春ラブストーリー! 感動のラストまで目が離せない、超弩級エンターテインメント。
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注目ポイント
「まほり」の由来が明らかに
下巻では、裕は真実に近づいていきます。
上州の村に残る古文書を読み解き、ある一つの解釈に辿り着きます。
そんなタイミングで、裕の元にある人物から電話がかかってきます。
その人物から語られる話を聞き、裕は動揺を隠すことができません。
なぜなら、裕はとんでもない勘違いをしていたからです。
衝撃の事実に辿り着いた裕と「まほり」の真実とは…
エピローグに注目
エピローグを読めば全てがつながります。
なんとなく予想はできてしまいますが、それを上回って鳥肌が立つような衝撃があります。
上下巻読んで、ぜひエピローグまで辿り着いてください。
この作品が傑作と呼ばれる理由がわかります。
感想
個人的には、途中で中弛みを感じつつも、最後まで読み切ってしまうだけの面白さがある作品でした。
ミステリーというよりかはやはりホラーに分類される作品でしょうか。
地方因習の気持ち悪さや恐ろしさを存分に書ききっていると思いました。
なんとなく分かってはいたものの、エピローグで鳥肌が立つのを止めることはできませんでした。
頭の中にあった嫌な想像を突きつけられてしまった感じ…
難しい部分もあって、読み進めるのが大変なところもあると思いますが、個人的にはぜひ読んでほしい1冊。
エピローグの感じからして考察捗るなあ。