知念実希人『真夜中のマリオネット』の紹介と感想をネタバレ微ありでお送りします。
あらすじ
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をした。そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。無事、命を救って手術室を出た秋穂に刑事が告げた。「彼は『真夜中の解体魔』だ」。復讐しようとする秋穂に、涼介は涙ながらに無実を訴え証拠を見せた。秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……。涼介は真犯人に操られた哀れな人形(マリオネット)なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。知念実希人が贈る、究極のクライムサスペンス!
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注目ポイント
主人公は連続殺人事件の関係者
主人公の秋穂は、夫を「真夜中の解体魔」に殺された過去を持っています。
秋穂は「真夜中の解体魔」を憎んでいるも、その存在のヒントすら掴めないままの日々を過ごしています。
そんなある日、秋穂の務める救急センターにある患者が運び込まれてきます。
それは、とても美しい顔をした少年で、思わず見惚れてしまうほどです。
少年の名前は石田涼介といい、なぜか傍らには警察の姿があります。
なんと、この石田涼介こそが「真夜中の解体魔」だというのです…!
容疑者・石田にはアリバイがある
しかし、容疑者である涼介には事件当時アリバイがあり、犯行は不可能とされています。
それでも頑として譲らない警察は、涼介を追い続けます。
秋穂は復讐をするチャンスと思いながらも、石田涼介犯人説に疑問を持ちます。
「とてもこんな少年に殺人なんてできるわけがない…」
心の中でそう思いながらも、揺れ続ける秋穂。
そして、秋穂は涼介に協力し、真相を突き止めるために行動し始めます。
犯人はまさかの・・・?
事件について調べていくと、あることがわかりました。
どうやら、涼介を陥れようとする人間がいるということに。
秋穂たちは、その人物が真犯人だという確信をもち、逃亡を続けながらもその足取りを追っていきます。
そしていよいよ彼女らは追い詰められ、絶対絶命の危機に。
そんなピンチを救ってくれたのはまさかの人物で…
感想
めちゃくちゃ面白いんでとりあえず読んでほしい。
秋穂が務める救命センターに、「真夜中の解体魔」とされる石田涼介が運ばれてきますが、彼は必死に違うと言ってのけます。
彼のルックスも手伝い、次第に心を許していく秋穂。
彼の代わりに真犯人を探すようになりますが、浮かび上がってきた犯人はまさかの人物で…
といったような、王道ミステリ展開がたまらない作品です。
どんでん返しが待ち受けているのも知念実希人作品の特徴です。
この救いのないような終わり方が中毒性を生んでいます。
ミステリファン必見の書き下ろし文庫、ぜひ読んでみてください!

