【あらすじ・感想・ネタバレ】『殺人依存症』グロイの苦手な人は絶対読まないで

『殺人依存症』は、櫛木理宇による「依存症」シリーズの第1作目です。

2020年10月7日に幻冬舎文庫から描き下ろし文庫として出版されています。

シリーズには、『残酷依存症』や『監禁依存症』などがあります。

本作では、児童が行方不明になり、その後死体となって発見されるという殺人事件が発生します。

しかも、見つかった死体には、あまりにも酷い性的暴行などを受けた痕が残されています。

いずれの事件も犯人につながる痕跡が残されておらず、警察は悪戦苦闘を強いられます。

そんな中、あることをきっかけにとんでもない邪悪の姿が浮かび上がってきます…

本記事は、本作のあらすじや感想をネタバレありでまとめています。

ネタバレ要注意でお願いします。

あらすじ

息子を六年前に亡くした捜査一課の浦杉は、その現実から逃れるように刑事の仕事にのめ

り込む。そんな折、連続殺人事件が勃発。捜査線上に、実行犯の男達を陰で操る一人の女

の存在が浮かび上がる。彼女は一体何者なのか――。息をするように罪を重ねる女と、最

愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二人が対峙した時、衝撃の真実が明らかになる。

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感想

序盤からなかなかエグい滑り出しです。

本作の事件の被害者は、少年や少女ばかり。

子どもたちの無惨な描写が様々描かれています。

グロテスクな内容が苦手な方は読むのを絶対やめたほうがいいです。

読んだら後悔するレベルでグロいです。

さて、タイトルには『殺人依存症』とありますが、このタイトルは一体何を指し示しているのでしょうか？

“症”とついているからには、何らかの症状や特徴を指していると考えられますが、問題は一体誰のことなのか。

本作の主犯とも言える浜真千代のことなのでしょうか。

しかし、浜真千代は自分では一切手を下していません。

すべて他人にやらせているのです。

そうなると、実行犯となった人物たちが殺人依存症なのか？

確実に言えることは、実行犯となった男たちは「殺人依存症」ではないということです。

彼らは警察に対する供述で、「そんなつもりはなかった」「だんだんと気が大きくなっていった」「普段ならこんなことはしない」などといったことを話しています。

本来であれば、痴漢や盗撮魔といった程度の小物にしか過ぎなかった彼らが、どのようにして殺人にまで至ったのか。

その背後には、いつも浜真千代の姿があったのです。

彼女は、事件のすぐ傍にいながら、ほどほどの距離感を取り、事件にはほぼ関与することがないように立ち回っていました。

浜真千代はそれだけの高い知能を備えていたのです。

そんな浜真千代の人生は凄絶で、自分の身にそれが起きたら自分は耐えることができるだろうかと思うほどです。

実際に手を下すことはなくとも、自分の憎む存在を死に追いやってきた彼女は、まさに「殺人依存症」と呼ぶべき状態なのかもしれません。

終盤、とうとう彼女は追い込まれますが、ある人物によって窮地を脱出します。

そして彼女は今の姿を捨て、新たなターゲットを屠るために準備を始めていきます。

浜真千代は一体今後何をしていくのでしょうか…？