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【レビュー・感想】人は必ず誰かの記憶に残る。身元不明で亡くなった人の正体は…『ある行旅死亡人の物語』

武田惇志、伊藤亜衣『ある行旅死亡人の物語』は、2019年に実際に起きた、身元不明の女性が死亡した事件を追ったルポルタージュです。

現金3400万円、星型マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑などが自宅に残されている以外、特に特徴のない部屋。不気味なまでに生活感のない部屋で、亡くなった女性は一体どのように生活していたのか。

そして、彼女の正体とは一体…。

目次

『ある行旅死亡人の物語』の特徴

  • 徹底した取材: 警察や関係者への取材はもちろん、わずかな手がかりから女性の足取りを追い、出身地や家族構成、生前の姿を浮かび上がらせようと試みています。
  • 社会への問題提起: 女性の孤独死、身元不明者の増加、現代社会のつながりの希薄さといった問題を浮き彫りにしています。
  • 丁寧な文章: 事実を淡々と伝えるだけでなく、女性の心情や周囲の人々の思いに寄り添うような描写が印象的です。

『ある行旅死亡人の物語』の要約

2019年5月、東京・上野公園で身元不明の女性が死亡しているのが発見されました。

自宅には現金3400万円と星型マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑などが残されているのみ。

警察の捜査でも身元は判明せず、孤独死として処理されそうになりました。

しかし、新聞記者たちは、女性の足取りを追い始めます。

わずかな手がかりを元に、出身地や家族構成、生前の姿を浮かび上がらせようと奮闘する姿が描かれています。

著:武田 惇志, 著:伊藤 亜衣
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『ある行旅死亡人の物語』の感想

現実は小説より奇なりとはよく言ったもので、実際にこんなことが起こりうるのかと思うような内容でした。

ミステリ顔負けの謎が謎を呼ぶ展開に、鳥肌が立ちまくりました。

何度も、「これはフィクションではないのか?」と疑ってしまったほどに奇妙な展開が続いていきます。

しかしこれをノンフィクションたらしめるのは、やはり物語の締めでしょうか。

記者2名による調査はある段階までは順調に進んでいきますが、一定のラインを越えるとそこからはめぼしい情報もなく、真実にたどり着くことができません。

物語の終わりがスッキリしないのもあり、様々な憶測を呼んでいるこの作品。

この記事を読んでいるあなたにもご一読いただき、あなたなりの考察を聞かせてもらいたく思います。

それこそが著者たちが望んでいる形のように思います。

調査で限界をきたした部分を、僕たち読者に託すことによって、亡くなった彼女、ひいては親族の本懐を遂げようとしているのかもしれません。

『ある行旅死亡人の物語』を読んだ人のレビュー

『ある行旅死亡人の物語』はどんな人におすすめ?

  • ノンフィクション好き: 実際に起きた事件を丹念に取材し、丁寧に描写したルポルタージュに関心のある方。
  • 社会問題に関心のある人: 孤独死、身元不明者、現代社会のつながりの希薄さといった問題について考えさせられる作品です。
  • ミステリー好き: 女性の身元や死の真相が明らかになっていく過程は、ミステリー小説を読んでいるような感覚も味わえます。
  • 人の人生に興味がある人: 一人の女性の人生を深く掘り下げ、その背景にある社会や家族の問題を浮き彫りにする作品です。

『ある行旅死亡人の物語』:まとめ

本書は、単なる事件のルポルタージュにとどまらず、現代社会が抱える問題を浮き彫りにし、読者に深く考えさせる作品です。

ミステリ作品のようなスッキリ感はありませんが、謎が謎を呼ぶような展開が好きな方は、ぜひ手にとって読んでみてください。

著:武田 惇志, 著:伊藤 亜衣
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この記事を書いた人

読書と勉強のために時間を欲するサラリーマン。
年間読書量は100冊ほど。読んだ本の中からオススメを紹介しています。
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