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【感想・ネタバレ】『傲慢と善良』人は誰しも傲慢であり、善良であろうとする。あなたの中の傲慢と善良は?

辻村深月『傲慢と善良』の紹介です。

2024年9月27日に藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんのW主演で映画が公開されることも決定した本作ですが、その内容は胸が締め付けられるようなものになっています。

どこかで僕らも感じたことのあるような、男女の関係における共感できるポイントが、架と真実という二人を通して描かれている。

架と真実、あなたはどちらのキャラクターに共感できるでしょうか?

目次

あらすじ

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》

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著:辻村 深月
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作品のポイント

男女における恋愛・結婚の価値観

男女における恋愛観や結婚の価値観はどのように違うのでしょうか。

時代によって考え方は異なると思いますが、僕の周囲の女性の意見を聞いていると、26歳前後には子どもを1人は産んでいたいとのこと。

子どもを2人ほしいと考えている場合は体力的な余裕なども考えて30歳までに子どもを産み終えておきたいようです。

一方の男性はどうなのでしょうか?

20代半ばといえば、転職等を考え始める時期でもあり、それが落ち着いてから子どもをと考えている人が多いのではないでしょうか?

もしくは、しばらくは仕事一筋で走り抜け、それが落ち着いてから結婚や子どもをと考える人も少なくないように感じます。

本作の主要人物である、架と真実もそのような問題に直面しています。

架と真実の間で話ができていないまま、なあなあで婚約しているだけになっており、そこに真実は不安を感じています。

架の行動に不安を感じたり、周りの女性と自分を比べて卑下したり、どんどん心が不安定になっていきます。

結婚に対するイメージがつかない方や不安を感じている方は読んでみると面白いかもしれません。

親世代の結婚の価値観

僕は1990年代生まれですが、その世代の親達というと、僕らとは結婚に対する価値観が全く違います。

25~6歳で結婚するのが普通であり、30超えての結婚など焦りしかないようです。

これが女性の場合だとより一層風当たりも強くなるようで、本作に登場する真実も、両親からの圧に耐えかねているよう。

真実を探すために真実の両親の元を訪ねる架ですが、その価値観の違いに驚愕してしまいます。

世代間におけるギャップの違いが、気持ち悪くも面白いところです。

自分を見つめ直す

この物語を読めば、きっとあなたも自分の行いを振り返ったり見つめ直すと思います。

それはきっと、あなたの中に何か思い当たるような節があるからだと思います。

架や真実の言動を見て、普通そんなこと考えないだろと思いつつも、自分の行動に心当たりがあって心臓バクバクになるはず。

この物語は、自分の行動を見つめ直すいいきっかけとなるかもしれません。

自分は傲慢だなあと思う方は読んでみるといいかもしれません。

感想

本作を読んでの感想は、結局人って傲慢でしかないよなあというもの。

善良というのは、責任感のない甘ったれた考え方でしかないのかなと個人的には思ってしまった。

特に、主人公である架の言動については、共感できる節もあるし、まさにそのとおりだと思うところもある。

もう一人の主人公である真実に関しては、どこかはっきりしない言動にイライラしてしまうというのが僕の感想。

周りに流されて生きてきただけの人間が、今になって子どものように感情を振り回しているだけにしか見えない。そういったところに傲慢さを感じてしまいます。

ただし、本作の解釈の仕方は様々だと思います。

タイトルにあるように、キーワードは「傲慢」と「善良」だと思います。

僕が本書で感じたのは、誰の言動も傲慢と捉えることができるし、反対に善良からくるものであるとも言えるのです。

善良であるが傲慢。傲慢であるが善良。

人間関係って難しいなあと思いました。

善良を押し付ける人間にはなりたくないものです。

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この記事を書いた人

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