今回は、2024年に公開を予定されている映画の中から、原作小説を予習しておくことでより一層映画を楽しめる作品を紹介します。
すでに公開済みのものや、これから公開されるものなどもありますので、映画を観に行く予定のある方はぜひ原作小説もチェックしてみてください。
2024年公開映画の原作
ある閉ざされた雪の山荘で
1度限りの大トリック!
劇中の殺人は真実か?
俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか? 驚愕の終幕が読者を待っている!
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2024年1月に公開された、ミステリー作品です。
原作を書いたのは、おそらく知らない人はいないであろう、大人気作家の東野圭吾さんです。
舞台はミステリのもうお決まりと言ってもいい「閉ざされた空間」「雪山」「山荘」です。
こんな環境で何も起こらないはずがない。
果たして山荘で起きた事件の真実は・・・?
1月に公開された作品ですが、すでにAmazonプライムビデオで配信されています。見逃した方はこちらでチェックしましょう!
52ヘルツのクジラたち
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ
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のためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
本作は、『宙ごはん』や『ぎょらん』の町田そのこさんによる小説です。
本作で扱われているテーマは重く、介護、虐待、暴力、ネグレクトなど、現在の日本社会の抱える闇を全力で描いている作品です。
田舎の港町に引っ越してきたキナコと親から「ムシ」と呼ばれる少年の2人が出会い、関わっていく中で2人がみせる成長に涙が止まらなくなる作品です。
読んでいる途中で気分が悪くなるような胸糞シーンもありますが、ぜひ一度は読んでみてほしい作品です。
一点気になるとすれば、映画で志尊淳さんが「アンさん」という重要な人物を演じているのですが、髭が似合ってなさすぎる点・・・
志尊淳さんの髭をチラチラ見ながら楽しんでみてください。
下記の記事で作品の詳細について解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
変な家
知人が購入を検討している都内の中古一軒家。 開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に 「謎の空間」が存在していた。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、 この家は、 そこかしこに 「奇妙な違和感」が存在すると言う。
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不可解な間取りの真相とは!?
突如消えた元住人は一体何者!?
クリエイターとして有名な雨穴さんが書かれた本作ですが、今やこのタイトルを聞いたことない人はいないのではないか?というぐらいの人気作品となりました。
本作は、2つの間取りの奇妙な共通点から始まり、その間取りが持つ本来の意味を謎解く物語となっています。
映画『変な家』は原作と内容が違いすぎることでも有名になりました。
原作小説がミステリ強めなのに対し、映画版はホラー要素満載の演出になっていました。
映画だけを観て想像していた作品と違ったと感じた方は、原作小説を読むことをオススメします。
尺の都合上、映画ではカットされている原作エピソードが多く、映画だけでは作品が本来持つ肌が粟立つような怖さが感じられませんでした。
ぜひ原作を読んで変な家の本当の恐ろしさを体験していただければと思います。
物語の詳細については、下記の記事でも紹介してますので、興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
四月になれば彼女は
恋愛なき時代のベストセラー恋愛小説、ついに文庫化!
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精神科医・藤代に大学時代の恋人から手紙が――失った恋に翻弄される十二か月。『世界から猫が消えたなら』『億男』著者の恋愛小説。
本作は、映画の脚本家としても活躍されている川村元気さんによって書かれたものです。
主人公は医者で、婚約者と同棲しており、順風満帆な生活を送っていた。
しかしあるとき、婚約者が行方をくらませてしまった。
婚約者がいなくなったのは大学時代の彼女から手紙が届いた直後だった。
2人の間にできていた心の溝、価値観の違いを描き、誰もがきっと通っているであろう恋愛を描いた本作。
読めばあなたもきっと思い当たる節があるであろう言葉がズバズバと胸に刺さってきます。
結婚を控えた人はぜひ読んでみてください。
責任は取れませんが。
六人の嘘つきな大学生
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
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本作の作者は、『ノワール・レヴナント』『俺ではない炎上』『家族解散まで千キロメートル』などの作品を執筆された、浅倉秋成さんです。最近ではマンガ原作として『ショーハショーテン!』なども手掛けられています。
本作の特徴は、就職活動の最終選考が舞台であり、選考中に謎の白い封筒により就活生たちの裏の顔が明らかになるというところにあります。
この最終選考の方法が特殊なものであり、選考参加者たち自らの手で内定者を1名選び出すというもの。
途中まで順調かと思われた選考も、白い封筒の存在によりかき乱されることになります。
そして最終選考から8年後、白い封筒事件の犯人とされた人物が死亡します。
これにより物語は大きく動き出し、内定を勝ち得た人物は真犯人を探すことになります。
物語の詳細などは下記の記事にまとめていますので、この作品についてもっと詳しく知りたいという方はそちらもチェックしてみてください。
傲慢と善良
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婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》
作者は、『かがみの孤城』や『凍りのくじら』で有名な辻村深月さんです。
本作は、主人公・架の婚約者である真実がある日突然失踪するところから物語が始まります。
2部構成になっており、それぞれ架と真実の心情を描いています。
タイトルにある通り、誰しもが傲慢であり善良であるということを考えさせられる作品で、自分の言動を振り返ってみるきっかけともなりました。
優柔不断な2人の人物を、映画では藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんが演じられます。
繊細な文章で描かれた2人の心情をどのように表現されるのか楽しみな作品です。
本心
舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
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母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。
こちらは、『マチネの終わりに』で有名な平野啓一郎さんによる作品です。
近未来の日本を舞台に描かれる本作ですが、今までであれば知ることのできなかった人の心を将来的には覗くこともできるようになるのかもしれません。
はたしてそれがいいことなのか悪いことなのか。
真実を知ってからでは遅いこともあるのではないか・・・そんな風に思ってしまう作品でした。
番外編
ここからは番外編です。
映画公開作品ではありませんが、2024年に映像化された(される)作品を紹介します。
十角館の殺人
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
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あの1行ですべてがひっくり返る衝撃的なミステリ作品です。
今まで映像化不可能と言われてきましたが、満を持して実写化されました。
2024年3月22日よりHuluにて配信が開始され、瞬く間に話題となった作品です。
僕がミステリにハマるきっかけとなった作品でもあり、非常に思い入れの深い小説です。
まだミステリを読んだことがない方や、最近ミステリにハマったという方にもオススメです。
下記の記事では作品についてより深く語っていますので、作品についてもっと詳しく知りたいという方はチェックしてみてください。
まとめ
いずれの作品も豪華キャストによる映画化で、非常に盛り上がりを見せています。
映画を観る前に原作を予習しておきたい方、映画を観て原作が気になった方はぜひ原作小説もチェックしてみてください!
映画では描かれなかった描写なども丁寧に表現されており、作品を何倍も楽しめるようになりますよ!