藤崎翔『逆転ミワ子』の紹介と感想をネタバレなしでいきたいと思います。
先に言ってしまうと、この本めちゃくちゃ面白いんです。
前々作、『逆転美人』の時も、電子書籍化不可能といわれ、そのトリックには大きく驚かされましたが、今回はそれ以上かもしれません。
これ以上喋るとネタバレになりますので、もう少しだけ知りたいという方は本記事を参考にしてみてください。
あらすじ
本作の主人公は、ミワ子というお笑い芸人です。
彼女は、お笑い芸人としてそこそこ売れ始めたのち、ある雑誌で連載コーナーを持つようになります。
そしてその連載が書籍化され、それが発売されたのちにミワ子の行方不明が報道される・・・
といったお話になっております。
ミワ子が消えた理由に関しては、彼女の本を読めばわかるということですがそれは一体どういう意味なのでしょうか。
注目ポイント
ミワ子が仕掛けたもの
ミワ子は自分の連載の書籍化にあたり、ある仕掛けを行いました。
通常、書籍化をする際には行わないであろう労力をかけ、ある人物にだけ伝わるメッセージを仕込んだのです。
このある人物というのがまた曲者です。
物語終盤まで読んだ読者にならわかる、あの人物です。
編集者・野村が仕掛けたもの
ミワ子の本が大反響を呼び、文庫化されることになりました。
その際、当時の担当編集だった野村氏が文庫のあとがきにとある仕掛けを施しました。
そこには、ミワ子に関する真実が記載されていました。
ミワ子のその後については、あなたの想像にお任せします。
感想
『逆転美人』では、非常に緻密なトリックが仕掛けられていました。
読者をミスリードさせつつ、あるタイミングでそれを気づかせ、全てのページを読み返させるような恐ろしさがありました。
本作はもしかしたらそれ以上かもしれません。
僕は、『逆転美人』でのトリックを知った状態で本作を読んでいます。
つまり、常に警戒しながら本を読んでいる状況です。
途中、違和感のようなものを感じつつ、尚且つトリックを紐解くためのキーがそれとわかっていながら解くことはできませんでした。
そう、またしても作者にまんまとしてやられました。
控えめに言って最高です。
ミワ子がどのようにトリックを作り上げたのか、最後まで読めばわかります。
そして、この物語の結末、というかオチの部分について、きっとあなたはクスリとなるでしょう。
非常にユーモアあふれた作品でした。
200ページ程度の作品でここまで楽しめるとは思ってもいませんでした。
次回作が発売されたらまた購入したい!
そんな魅力あるシリーズです。
電子書籍化不可能といわれた本作の魅力については、ぜひあなたのその目で確かめてみてください。