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三度現れる蒲生美智留。国会議員・バスの添乗員・ジム利用者との関係は…?『嗤う淑女 二人』

中山七里『嗤う淑女 二人』を読了したので紹介と感想です。

本作は、『嗤う淑女』『嗤う淑女 ふたたび』で有名な嗤う淑女シリーズの続編になります。

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目次

『嗤う淑女 二人』はどんなストーリー?

高級ホテルで行われていた同窓会で大量毒殺事件が発生!

犠牲者の1人である日坂浩一の手には「1」と書かれた紙片が握られていた。

宴会会場のカメラを調べたところ、そこに映っていると思しき人物は、連続猟奇殺人で指名手配中の「有働さゆり」だった。

その後も大型バス爆破、中学校校舎の放火殺人、ジム爆破などの凶悪事件が発生する。

いずれの現場にも、番号札と有働さゆりの痕跡が残されているが、 その行方と犯行目的はつかめないまま、最後の犯行予告が告げられる。

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『嗤う淑女 二人』ネタバレありでエピソードを解説!

一 日坂浩一

パワハラや女性議員との不倫問題で世間を騒がせていた日坂浩一は、自身の死という形で再び世間を騒がせることとなりました。

日坂以外にも、同窓会に参加していたメンバーのほとんどが毒殺され、生き残ったのはわずか3人という有り様。

3人は日坂に関するとある秘密を隠しており、それが事件の犯人につながるのではないかと考えていました。

しかし、その心当たりは外れ、事件の犯人と推測していた人物はすでに亡くなっていることがわかりました。

現場に設置されていた防犯カメラからわかったのは、連続猟奇殺人事件で指名手配中の、有働さゆりと思われる人物が現場をうろついていたということです。

指名手配中である彼女はなぜこのような場所にいたのか?

そして、死んだ日坂浩一の手にはアラビア数字で「1」と書かれた紙片は一体何を意味するのか?

そして、第1章の最後に登場した蒲生美智留の目的とは…?

二 高濱幸見

旅行会社のバスが高速道路上で突如爆発しました。

多くの人が犠牲となり、バスガイドを務めていた高濱幸見ももれなく亡くなっていました。

そして、高濱の持ち物の中には真鍮で作られたプレートが入っており、それにはアラビア数字で「2」と書かれていました。

警察はこれを連続殺人事件と見立て、捜査を行うこととなります。

しかし、バスの乗客でただ1人いた不審人物ですが、事件当時その乗客はバスに乗っていなかったのです。

なぜかというと、サービスエリアでの休憩時、その乗客だけがバスに戻ってこず、やむなく発車したという経緯があったのです。

警察は該当するサービスエリアの防犯カメラを調べますが、その不審人物が入ったはずのトイレから出てくる様子がないのです。

忽然として姿を消してしまったこの人物は、一体どこに行ってしまったのでしょうか?

そして、日坂浩一と高濱幸見の事件に共通するテントは…?

三 大塚久博

ある夜、秋川第一中学校の校舎に忍び込んだ大塚久博。

彼が侵入してしばらくした後、校舎から火の手が上がっていると通報があった。

大塚は焼死体となって発見された。

そして、大塚の遺体の傍にも金属製のバックルが落ちており、その中央には「3」という数字が刻まれていた。

この金属片は高濱幸見の遺体の傍で見つかったものと同質のものという分析結果がでており、十中八九同じ犯人の仕業であるとされた。

しかし容疑者として上がってきたのは、秋川第一中学校に通う生徒の1人だった。

深夜に付近を歩く姿がカメラに残っており、それが決め手となった。

少年の自室には爆弾の材料になったとされるものが残っており、校舎の爆破犯である高尾は間違いなかった。

しかし、少年は大塚を殺していないどころか、見たこともないと証言したのだった。

捜査を進めていくと、大塚の遺体には刃物で刺された傷があり、それによって死亡していたのだ。

その後、少年の爆弾が爆破し、校舎ごと焼かれてしまったというのが警察の見解だった。

この少年が爆弾を作り、それで校舎をふっとばそうとしたのは、いじめられていたことが背景にあったようだ。

いじめに悩んでいるときにインターネット上で出会ったのが、「アルテミス」と名乗る女性。

その女性からの入れ知恵により、彼は爆弾を作り、それを実行するという凶行にでてしまった。

今回の校舎爆発事件と関係があると見られたのは、日坂浩一だった。

秋川第一中学校は、日坂の母校だったのだ。

しかし、今ひとつ事件の関連性に決め手を欠いていた警察は、みすみすと次の事件を許してしまう。

四 古見千佳

銭湯からリフォームされ、トレーニングジムとして運営されていたこの場所で、爆破事件が起こってしまった。

事件当時ジムを利用していた利用者数名が被害にあい、多くがなくなる結果となった。

古見千佳はその1人であり、古見の自転車のカゴに置かれていた金属片の「4」という数字から、連続殺人事件の被害者であることがわかった。

古見千佳は誰かから恨まれるようなこともなかったと証言があり、事件の関連性は疑問視されていた。

結局のところ、爆弾を仕掛けたのはジムのオーナー自身だった。

ジムのブログを通じてメッセージを送ってきたアルテミスという女から、保険金詐欺を提案され、それに乗ってしまったようだった。

しかし、オーナーが仕掛けた爆弾は威力の小さいもので、隣家にまで迷惑をかけるような代物ではなかったようである。

つまるところ、蒲生美智留の指示で有働さゆりが工作を行い、オーナーが想定していた以上の威力になったのが今回の事件である。

前3件と今回の事件には一体どのような関連性があるのだろうか…?

五 有働さゆり

蒲生美智留から最後の仕事を頼まれた有働さゆり。

彼女は、用済みになった自分が消されることを察知し、先手を打った。

警察に爆破予告を伝えたのだ。

警察は有働さゆりと蒲生美智留を止めることはできるのか?

そして、蒲生美智留の真の目的とは…?

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この記事を書いた人

読書と勉強のために時間を欲するサラリーマン。
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